
【ワシントン=共同】AP通信は22日、トランプ米政権が先週、少なくとも29カ国の在外公館の大使らに対し、来年1月で配置転換すると通告したと報じた。全員がバイデン前政権下で起用されたことを踏まえ、前政権色を一掃し「米国第一」の外交を徹底させる狙い。
第2次トランプ政権は今年1月の発足直後、バイデン前政権を支えた政治任用の高官らを中心に辞任などを迫った。今回の配置転換の対象は、それらの人事を免れていた外交官らとされる。
米国を代表し任地国の政府と交渉する大使は政権交代にかかわらず3〜4年務めることが多い。トランプ政権は今回の配置転換について、前触れなく通告。本人が希望すれば、帰任後に別のポストで勤務させる。
ワシントン・ポスト紙によると、国務省内には在外公館の運営面への悪影響や、配置転換となった大使らが新たなポストに就くのが困難な実情を指摘する声がある。外交官らの労働組合側は、大使の知見よりも忠誠心を優先する「危険なメッセージ」だと反発した。
APによると、対象となった大使やそれに準じる高官は、アジアではベトナム、フィリピン、ラオス、パプアニューギニア、ネパールなどの在外公館に勤務。地域別ではアフリカが最多でルワンダ、ソマリア、ニジェール、ナイジェリアなど。中東ではエジプトやアルジェリアが含まれる。
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