
【カイロ=共同】エジプトの首都カイロ近郊ギザの大エジプト博物館で23日、約4500年前に建造された大型木造船「第2の太陽の船」の復元作業の一般公開が始まった。船は古代エジプトのクフ王の副葬品とされ、1987年に考古学者の吉村作治さん率いる日本の調査隊が発見した。復元には日本人専門家らが協力し、3〜4年かかると見込まれている。
船はクフ王のピラミッド近くで見つかった。復元が終われば全長42メートル、幅6メートルほどの大きさになると推定される。発掘された船の部材は劣化が激しく、当初は復元が困難とみられていたが、強化処理を施すなどして道筋を付けた。部材を組み立てるための大がかりな骨組みも造った。
この日は来館者らが見守る中、船底部分に最初の部材となる板が取り付けられた。復元の現場主任を務める東日本国際大の黒河内宏昌教授は「復元が終われば、船の安定性や速さなどいろいろなことが分かる可能性がある」と話した。
クフ王の太陽の船を巡っては54年にエジプト調査隊が「第1の船」を発見。復元が終わって「第2の太陽の船」の作業現場の隣で公開されており、ツタンカーメンの「黄金のマスク」などと並ぶ目玉展示となっている。
大エジプト博物館は今年11月に正式開館。日本は円借款で建設を支援し、国際協力機構(JICA)を中心に文化財の保存・修復でも協力した。
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