クリスマスツリーが飾られた広場に集まった市民ら(24日、パレスチナ自治区ベツレヘム)=共同

【ベツレヘム共同】イエス・キリスト生誕の地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムの聖カテリナ教会で24日深夜から25日にかけてクリスマスミサが営まれた。自治区ガザでの停戦発効を受け、今年は3年ぶりに祝祭行事も開催された。しかしイスラエルの攻撃は続き、市民らは「街の彩りは幸せをもたらすが、心の痛みは癒えない」と嘆いた。

教会前の広場には名物の巨大クリスマスツリーが飾られ、家族連れや信者らが楽しそうに写真を撮影していた。お菓子や飲み物、おもちゃを売る露店も並び、特設舞台では聖歌隊がクリスマスソングを歌った。妻と2歳の娘と訪れたモハメドさん(30)は「初めて娘にツリーを見せることができた」と笑顔を浮かべた。

一方、ベツレヘムで生まれ育ったアハメド・ジョセフさん(40)は「ここ数年と比べると祝賀ムードがやや戻ったが、多くの人が命を落とし、ガザでは今も虐殺が続いている。街の彩りは装飾みたいなもので、人々の心は悲しみにあふれている」と浮かない表情を見せた。

ジョセフさんはイスラム教徒だが「聖なる土地に平和が訪れ、肌の色や宗教に関係なく、ユダヤ人、パレスチナ人、誰もが幸せになるよう祈っている」と語った。

祝祭行事を企画したベツレヘム市役所のカルメン・ガッタスさん(37)は「ベツレヘムから平和、連帯のメッセージを世界に発信する。それは占領や攻撃、沈黙に対する抵抗であり、私たちの土地を守り続けるという不屈の精神の表明だ」と訴えた。クリスマスに願うことは「ガザの人々に希望を。パレスチナに平和と正義を。それだけだ」と力を込めた。

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