【NQNニューヨーク=稲場三奈】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前週末比294ドル04セント(0.51%)安の4万8461ドル93セントだった。米株式相場が最高値圏で推移するなか、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが出た。銀先物相場の急落を受けたリスク回避の動きも重荷となった。

ダウ平均と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は24日に最高値を更新したあとで、29日は主力株の一角に利益確定の売りが出やすかった。エヌビディアやマイクロソフトといったハイテク株の売りが目立った。

ニューヨーク銀先物相場が急落したことも投資家心理に影響した面がある。29日の取引で銀先物(中心限月)は前週末比8.7%下落し、金などほかの貴金属も連れ安した。連日の最高値更新を受けシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの清算機関が貴金属の先物の証拠金を引き上げると発表し、売りが出た。

市場では、貴金属の下落が「株式などリスク資産の売りにつながった」(インタラクティブ・ブローカーズのスティーブ・ソスニック氏)との声が聞かれた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、金鉱山のニューモントや鉱山のフリーポート・マクモランといった関連銘柄が下落した。

その他のダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスやホーム・デポ、ゴールドマン・サックスが売られた。半面、原油高を受けてシェブロンが上昇した。IBMやウォルト・ディズニーも高かった。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落し、終値は前週末比118.748ポイント(0.50%)安2万3474.349だった。

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