アフリカ連合(AU)などが監視団を派遣したが、選挙の正当性を疑問視する声もある=ロイター

【ナイロビ=共同】2021年にクーデターが起きた軍事政権下の西アフリカ・ギニアで25年12月28日に実施された大統領選で、選挙管理当局は31日、軍政トップのドゥンブヤ暫定大統領が勝利したと発表した。アフリカ連合(AU)などが監視団を派遣したが、選挙の正当性を疑問視する声もある。政変が相次ぐ西アフリカの安定につながるかどうかが焦点だ。

選管はドゥンブヤ氏の暫定得票率を86.72%とした。任期は7年。ロイター通信によると、野党候補の1人は「投票や集計の監視が妨げられた」と批判した。

ドゥンブヤ氏は軍大佐だった21年9月にクーデターを起こし、当時のコンデ大統領を失脚させた。野党を抑圧する強権的な姿勢を取り、複数の有力野党指導者が亡命や書類不備で出馬できなかった。

西アフリカでは近年、マリやニジェールなどで政変が発生し、25年11月にはギニアの隣国ギニアビサウで軍が権力を掌握。地域機構の西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は「非常事態」だとして、地域不安定化への懸念を示している。

ギニアは人口約1500万人で、アルミニウムの原料となるボーキサイトの世界有数の産出国。人口の約半数が貧困に直面しており、経済対策が課題となっている。

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