火災が起きたバーには若者が多く集まっていた(1日、クランモンタナ)=ロイター

【クランモンタナ=共同】新年早々の予期せぬ惨禍。世界に知られるアルプスの高原リゾートは悲しみに包まれた。多数が犠牲となったスイス南部クランモンタナのバー火災。「友人の安否が分からない」。現場近くでは1日、人々が沈痛な面持ちで肩を抱き合い、無事を祈った。

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3千〜4千メートル級の山々を望むクランモンタナ。所々が雪に覆われ、厳しい寒さが肌を刺す。現場のバー周辺は封鎖されて近づけない。規制線の外には献花台が設けられていた。追悼の花を携えた人々が次々に訪れる。

「巻き込まれた友人がいるの」。大学生エバンジェリーナ・シェパードさん(18)は悲痛な表情で花を手向けた。クランモンタナで生まれ育ち、地元の若者らが集うバーは自身もよく訪れる「なじみの場所」だった。数人の友人が火災で負傷し、いまだ安否が分からない人もいるという。

バーでは観光客を交えた多くの人が年越しを祝っていた。欧米メディアによると、火災発生後、現場は窓を割って逃げたり出入り口に殺到したりする人々で混乱を極めた。シェパードさんは「出入り口は狭く、大勢が逃げ出すのは難しかっただろう」とうつむいた。

1日、スイス・クランモンタナで発生した火災現場の一帯を調べる警察官(JEAN-CHRISTOPHE BOTT/KEYSTONE提供)=AP

夏はハイキングやゴルフ、冬はスキーのリゾート地として国内外から多くの観光客が訪れるが、人口は約1万人と小規模だ。「全員が知り合いのような」(シェパードさん)場所で起きた惨劇に、地元の衝撃は大きい。

「家族の悲しみは、私たち全員の悲しみだ」。1日に就任したばかりのパルムラン大統領は記者会見で国民に結束を呼びかけ、犠牲者らの家族を支援するための努力を惜しまないと強調した。

献花台の前では住民のアンナ・デュプローさん(39)が友人らと抱き合っていた。知り合いの中には子ども3人が安否不明になっている人もいる。目に涙を浮かべ「犠牲者の多くは若者だと言われている。本当につらい」と声を絞り出した。

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