軍事作戦によりベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した米国のトランプ大統領は、南北米大陸のある「西半球」を自国の勢力圏とみなし、排他的に利益を追求する姿勢を示す。昨年12月に公表された外交・安全保障分野の基本方針となる「国家安全保障戦略」では、この地域での権益確保が「極めて重要な中核的国益」の筆頭に掲げられた。

 西半球とは子午線から西経180度までの地球の半分を指す。米大陸が西半球、ユーラシア大陸とアフリカ大陸の大部分が東半球となる。

 トランプ氏がこだわるのが「モンロー主義」と呼ばれる概念。第5代大統領ジェームズ・モンローが1823年に打ち出した、「米国が欧州諸国に干渉しない代わりに、米大陸には手を出すな」という外交方針だ。

 第26代大統領セオドア・ルーズベルトは、これを拡大解釈した。米国が伝統的に自らの「裏庭」とみなす中南米への帝国主義的な軍事介入をいとわず、「ルーズベルト系」と呼ばれた。トランプ氏の路線は、いわばその上書きとも言える。

 トランプ氏やその支持層は、米政権が過去に中東などで進めた軍事介入を批判し、こうした関与には消極的だ。トランプ氏は4日、この点について今回のベネズエラへの攻撃との整合性を問われると「(批判してきたのは)地球の裏側の国への介入だ。ベネズエラは我々の領域だ」と主張。これを、「モンロー主義」に自らの名前「ドナルド」を加えてもじった「ドンロー・ドクトリン」と表現した。

 ベネズエラのみならずキューバやコロンビア、さらにはグリーンランドに対しても強硬な発言を重ね、自らの野心も隠さなかった。トランプ氏は緊密な同盟国のカナダについても「51番目の州」などと言い放ち、その「併合」にまで言及してきた。

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