
【ワシントン=小林恵理香】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は26日、米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるフィリー造船所を訪問した。同造船所は韓国の造船大手ハンファが2024年に買収した。現場視察を通して造船業分野での米韓協力を強調した。
米運輸省海事局から受注し、同造船所で建造した多目的船の命名式を開催した。李氏は「韓国の造船業が米国の海洋安全保障を強化し、米国の造船業復活に寄与する新しい挑戦の道に出る」と述べた。両国の造船業に利益があるはずだと語った。
多目的船は「ステート・オブ・メイン」と命名された。平時には士官学校の生徒たちの訓練用、非常時は災害対応や救助任務にあたる想定だ。命名式には韓国の産業通商資源相や米国ペンシルベニア州知事らも参加した。

フィリー造船所はフィラデルフィアに米国最大級の建造ドックを持ち、商用船だけでなく軍用艦も建造する。ハンファは買収を機に、韓国の造船企業として初めて米海軍の艦艇維持・修理・整備事業を受注するなど米国事業に注力する。
韓国大統領府によるとハンファはフィリー造船所に追加投資し、生産能力を現在の年1.5隻から年20隻前後に拡大する。中長期的には液化天然ガス(LNG)運搬船など大型先端船舶を建造できる能力を確保する意向だという。
米韓首脳会談があった25日、韓国産業通商資源省は造船や原子力、エネルギーなどの分野で11の協業契約を両国企業が結んだと発表した。韓国産業銀行が米国の造船産業のためのファンドを立ち上げるなど、官民一体で造船業協力を後押しする。
李氏は26日、首都ワシントン近郊のアーリントン国立墓地にも立ち寄った。同日夜に米国を出発し、帰国の途につく。
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