
ベネズエラで米政権に拘束されたマドゥロ大統領に代わり、副大統領だったロドリゲス氏が5日、暫定大統領に正式就任した。圧政から脱し、民主的な選挙による政権移行に着実につなげてほしい。
ロドリゲス氏は4日、「米国と協力する」と表明した。一時は抵抗の構えを示したが、再攻撃をちらつかせるトランプ米大統領との正面衝突を回避した。軍や政権内の対米強硬論を抑えながら、米国と渡り合う必要に迫られる。
ベネズエラを「運営する」と述べたトランプ氏には、かいらい政権のようにして操る思惑があるかもしれない。これ以上の干渉は自制すべきである。軍事力で脅すのは論外だ。
マドゥロ氏は2024年の大統領選で「3選」を主張し、選挙不正の疑いを晴らさず権力を握り続けた。ロドリゲス氏は独裁色を強めるマドゥロ政権を中核として支えてきた。
反対派を抑圧してきた強権体制の転換に至るか、注視する必要がある。日本を含む国際社会は、ベネズエラの民主主義の回復を強く支持すべきだ。公正で透明な選挙の早期実施が望ましい。
暫定政権は国内秩序の維持をひとまず担うことになる。野党指導者のマチャド氏を弾圧したマドゥロ政権のような強権統治の継続は許されない。
一方、マドゥロ氏は5日、麻薬テロリズム共謀などの罪で起訴された裁判の被告人としてニューヨーク連邦地裁に初出廷した。「私はベネズエラの大統領であり、拉致された」と述べ、4件の罪状を全て否認した。
弁護側は外国元首を拘束・連行した正当性や、米国内法に対する免責特権などを争点とする可能性がある。法に照らし議論を尽くしてほしい。
米政権は3日にベネズエラを軍事攻撃し、マドゥロ氏を拘束した。国連安全保障理事会は5日、これに関して緊急会合を開いた。
国際法違反を懸念する声が上がり、米国は正当化した。中ロやイランが厳しく非難する一方、英国は直接の対米批判を避けた。多くの国が言葉を選び、歯切れが悪くなった印象は否めない。
マドゥロ政権の圧政は非難に値する。それでも力ずくの政権転覆は、国際法上の正当性を欠く疑いが強い。トランプ政権は法的根拠や証拠を示し、国際社会の疑問に誠実に答える必要がある。
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