
【ワシントン=芦塚智子】米首都ワシントンで起きた連邦議会議事堂占拠事件から5年となる6日、ホワイトハウスは公式ウェブサイト上で、民主党が「平和的で愛国的な抗議者たち」に「反乱者」のレッテルを貼ったなどと主張するページを開設した。民主党側は「歴史を書き換えようとしている」と反発している。
2021年1月6日の事件では、20年の大統領選で敗れたトランプ氏の支持者らがバイデン前大統領の選出手続きを阻止しようと暴徒化し、議事堂内に押し入った。警察官1人を含む5人が死亡し、140人以上の警察官が暴行を受けた。民主主義の根幹を揺るがす事件として米国内外に大きな衝撃を与えた。
ホワイトハウスのページは、事件当時下院議長だった民主のペロシ氏と、事件を調査した下院特別委員会の元委員らの写真を並べ、ペロシ氏が特別委に多額の税金を費やし「"反乱"の物語をでっち上げ、トランプ大統領に責任を押しつけた」と主張した。
さらに「不正にまみれた選挙を承認することによって、真の反乱を起こしたのは民主党だ」との見方を根拠を示さずに示した。議会警察についても「緊迫した事態を故意にエスカレートさせた」と批判した。
トランプ氏は6日、共和党議員との会合で事件に言及し、事件直前の自身の演説について「平和的かつ愛国的に行進するように、との言葉をニュースは報じなかった」とメディアを非難し、責任を改めて否定した。警備の失敗の責任はペロシ氏にあるとも主張した。
トランプ氏は23年8月に事件を扇動した罪などで起訴された。24年大統領選で勝利後、検察側が大統領を起訴しないという司法省の方針を踏まえて取り下げた。

ホワイトハウス前の広場では同日、事件の参加者や支援者ら150人あまりが集会を開いた。事件を扇動した罪などで服役し、トランプ氏の恩赦を受けた極右団体「プラウドボーイズ」のエンリケ・タリオ元代表は、事件を担当した判事や検事、捜査官、メディアの訴追など「報復」が必要だと述べた。
トランプ氏は2期目の就任初日に事件で起訴された約1500人に恩赦と減刑を与えた。
一方で民主党は事件に関する非公式の公聴会を開いた。ジェフリーズ下院院内総務は「過去5年間、ドナルド・トランプと議会の極右の過激派たちは事件の責任者に責任を取らせる代わりに、繰り返し歴史を書き換え、恐ろしい出来事を覆い隠そうとしてきた。そうはさせない」と語った。

事件で暴徒に殴られたり催涙スプレーをかけられたりした議会警察の元警察官が証言し、「私や仲間の警察官たちに激しい暴力を加えた犯罪者を恩赦することは、到底容認できない」と訴えた。
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