◆アメリカはベネズエラへの内政干渉、主権侵害
北部がカリブ海に面するベネズエラ。この国の首都カラカスで米軍が軍事攻撃を行ったのは3日未明だった。トランプ米大統領は3日、自身の交流サイト(SNS)で「ベネズエラへの大規模な攻撃を成功裏に実施した」とし、同国のマドゥロ大統領夫妻を拘束したと発表した。
トランプ大統領が自身のSNSに公開した移送中のベネズエラのマドゥロ大統領の写真(左)。米海軍強襲揚陸艦の「イオー・ジマに乗艦したニコラス・マドゥロ」との説明文がある
今回の攻撃の背景には違法薬物を巡る問題がある。第2次トランプ政権は米国への違法薬物流入にマドゥロ政権が関与していると主張。「麻薬密輸船」とみなした船に対する攻撃を繰り返してきた。 南山大の山田哲也教授(国際法)の解説は、明快だった。「当然、国際法違反でしょう」 米国は、ベネズエラへの内政干渉、主権侵害を武力行使を伴う形で行った…というのが山田氏の説明だ。国連安全保障理事会の5日の緊急会合での議論も踏まえ、「こちら特報部」の取材にポイントを語った。◆今回の攻撃は「国際社会における法の支配が揺らぎかねない」
米国は、マドゥロ氏を拘束した理由として、マドゥロ氏が国際的な麻薬密売などの罪で米国内で起訴されていたことを挙げる。山田氏は「米国内の逮捕状をベネズエラ国内で執行したのは主権侵害だ」と指摘。「一国の大統領を武力行使を伴う形で引きずり降ろそうとしているのが内政干渉に当たる」と説く。
国連本部(資料写真)
そもそも武力行使は、国連憲章2条4項で原則、禁じられている。米国が自衛権の行使を主張しても、米国がベネズエラから攻撃されていたわけではないので「無理筋な議論だ」と山田氏はみる。国連安保理の決議を経ていたわけでもなく、例外的な武力行使だとするのは困難だ。 ただ、報道では「国際法違反の疑い」などと慎重な言葉遣いが続いている。各国政府も、違法性への言及はばらつく。山田氏は「国際法の解釈は、まずはそれぞれの国家がする」と説明。各国の公の場での発言や、安保理決議などによって解釈が固まっていくという。その上で今回の攻撃については「国際社会における法の支配がますます揺らぎかねない」と懸念する。◆ロシアや中国が「アメリカを見習うことが心配」
なぜトランプ氏は軍事行動に踏み切ったのか。早稲田大の中林美恵子教授(米国政治)は「(昨年12月に発表した)国家安全保障戦略(NSS)を行動で示した」と語る。NSSで米国政府は、ベネズエラを含む「西半球」で「卓越した地位」を保たなければならないと主張していた。
トランプ大統領(資料写真)
こうした「西半球」へのこだわりの背景に、中林氏は米国の「弱さ」をみる。米国は「圧倒的な軍事力」を誇るものの、以前のように世界中に目配りする余裕はなく、「ある程度、(地域ごとの介入の)強弱を付けないと、米国や周辺地域を守ることは実力的に難しいという弱さの上に立った認識だと思う」と語る。 米国の行動が今後、武力の行使の正当化に使われる懸念は強い。中林氏は、ロシアや中国など「他の国が(米国を)見習ってしまうことが心配だ。日本にとって非常に危険な行動だった」と指摘する。◆マドゥロ氏の拘束を「国民の大半は喜んでいる」とみられ
米国の動きは、ベネズエラ側からどう評価されているのか。
アジア経済研究所の坂口安紀主任研究員は「米国の軍事作戦は国際法の観点から批判は免れないだろう。ただ民主化に向けてのステップとも言えるため、評価は難しい」と話す。 坂口氏によると、2013年に大統領となったマドゥロ氏は、司法や警察、選管など全ての国家権力を支配していき独裁体制を築いていた。経済破綻を起こし国民の4分の1が国外に流出。ジャーナリストや抗議する市民への弾圧も続けた。「国内の力では民主化をできなかった。マドゥロ氏の拘束を国民の大半は喜んでいる」と語った。その上で、副大... 残り 1308/2964 文字
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