
【ワシントン=芦塚智子】米連邦最高裁は13日、出生時の性は男性だが女性を自認するトランスジェンダーの選手の女子スポーツ参加を禁じた州法について、合憲性を審理する口頭弁論を開いた。多数派を占める保守派判事から、禁止は違憲とは言えないとの立場を示す発言が相次いだ。最高裁は6月末ごろまでに判断を下す。
訴訟は女性を自認するトランスジェンダーの大学生と高校生が、それぞれ西部アイダホ州と南部ウェストバージニア州の禁止法について「法の下の平等」を定めた憲法修正第14条などに違反するとして起こした。
最高裁の口頭弁論では、保守派のカバノー判事が、一部の州や連邦政府はトランスジェンダー選手の女子競技参加を容認すれば不公平を生み、女子スポーツの成功に逆行すると考えていると指摘し、参加を禁ずる州法に理解を示した。
また同じく保守派のバレット判事は、トランスジェンダーの女子チーム参加を認めれば、男子チームに入れない男子選手が性自認を偽って女子チームに入ろうとする可能性に言及した。
最高裁は判事9人で構成し、現在は保守派が6人、リベラル派が3人となっている。禁止に理解を示した保守派に判事に対し、リベラル派の判事3人は、原告のトランスジェンダー選手の訴えに一定の支持を示唆した。
米カリフォルニア大ロサンゼルス校のウィリアムズ研究所によると、現在、27州がトランスジェンダーの女子スポーツ参加を禁止・制限している。最高裁の判断は他の州の合憲性判断にも影響することになる。
トランプ米大統領は就任初日に性別は「生物学的な男女」のみとする大統領令に署名した。2025年2月にはトランスジェンダー選手の女子スポーツ参加を禁じる大統領令を出した。トランスジェンダー選手が女子競技参加のために米国入国を求める場合、「詐欺」として拒否することも検討するよう指示した。
米国ではトランスジェンダーの権利が保守派とリベラル派の価値観を巡る「文化戦争」の争点の一つとなっている。
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