ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演した山口信治氏

トランプ米政権はベネズエラに続き、コロンビアやキューバなど中国との関係が深い中南米の国への攻撃をちらつかせています。「裏庭」とみなす中南米から、中国やロシアの影響力を排除しようという狙いは明らかです。習近平(シー・ジンピン)政権は米国の動きにどう対応するつもりなのでしょうか。

防衛省防衛研究所の山口信治・主任研究官はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し、米国のベネズエラ攻撃に「(中国が)ショックを受けたのは間違いない」との見方を示しました。

習氏はかねて「ベネズエラを断固支持する」と表明してきました。ベネズエラのマドゥロ大統領は米軍に拘束される直前まで、中国の特別代表と協議していました。そのわずか数時間後に米軍に連れ去られ、習氏はメンツをつぶされたかたちです。

中国はベネズエラにさまざまな軍事的な設備を輸出してきました。山口氏によると、特に敵が侵入するのを防ぐためのレーダーは、中国から輸入したものが中心だといいます。米軍はそれをかいくぐってベネズエラを攻撃しました。「中国製のレーダーはあまり役に立たなかった」のが実情です。

米中対立が続くなかで「中国の側についても国を守れない」という不安がグローバルサウス(新興・途上国)のあいだで高まってもおかしくありません。中国が中南米だけでなく、世界中のさまざまな場所で培ってきた権益を失う恐れもあります。

一方で、山口氏は今回の米軍によるベネズエラ攻撃で、中国の台湾統一に向けた動きが鈍るとはみていません。習政権が具体的なタイミングを考えているわけではないとしたうえで「中国は今まで通り台湾統一が可能になるような軍事力の構築を続ける」と指摘しました。

中国は高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言をきっかけに、日本に経済と軍事の両面から威圧を強めています。米国との関係を悪化させたくないと考える一方、日本への威圧を弱める気配はありません。山口氏は「(中国の日本に対する)軍事的な挑発行為は今後も継続するだろう」と警戒を呼びかけました。

山口氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。

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(編集委員 高橋哲史)

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