米国防総省でヘグセス国防長官(右手前から3人目)と会談する小泉防衛相(左手前から2人目)=15日、ワシントン近郊(共同)

小泉進次郎防衛相は15日(日本時間16日)、ワシントン近郊の国防総省でヘグセス米国防長官と会談した。アジア地域の抑止力強化に米軍と共同で取り組む方針を再確認した。ヘグセス氏は日本の防衛費の増額を評価し、防衛費に関する具体的な追加要求は出さなかった。

両氏はおよそ50分間協議した。沖縄など南西諸島周辺で中国の軍事活動が目立っている現状を念頭に、日米同盟の強化策を話し合った。

防衛省によると、両氏は「南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大」を最優先に位置づけた。地域の抑止力を高めるため実践的な共同訓練を拡充する。

弾道ミサイルの迎撃弾「SM3ブロック2A」の大幅増産に向けて議論を進めると申し合わせた。イージス艦に搭載し、発射角度が通常より高い「ロフテッド軌道」のミサイルにも対処できる。

航空自衛隊の「F35」戦闘機に積む空対空ミサイル「AMRAAM」の共同生産を加速する。地対空誘導弾パトリオットミサイルの改良型「PAC3MSE」の生産も強化する。

小泉氏は会談後、記者団に「日米同盟に一切の揺るぎもなく緊密に連携できていることを確認した」と強調した。中国を念頭にヘグセス氏と議論したことを示唆しつつ、詳細について明言を避けた。

ヘグセス氏は2025年12月、世界の同盟国に国防費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるよう求めた。

高市早苗政権は25年度にGDP比2%の防衛費を2年前倒しで達成した。政府・与党は26年末までに新たな防衛費の水準を決める。自民党内には2%超を求める意見があるが、5%は財政面からハードルが高い。

小泉氏は安全保障関連3文書を前倒しで改定する方針を改めて伝えた。ヘグセス氏は日本の取り組みに支持を表明した。会談に同席した防衛省幹部は「防衛費の具体的な数字を念頭に置いたやり取りはなかった」と説明した。

小泉氏はバンス米副大統領とも面会した。防衛力の強化などについて意見を交わした。

トランプ米大統領は「ドンロー主義」を唱え、米州大陸を中心とした「西半球」の防衛を重視する考えを強めている。日本政府は米軍がアジア防衛に関わる姿勢を重ねて確認し、抑止力の維持を目指している。今回の小泉氏の訪米もその一環だ。

日本側は会談でベネズエラ情勢が話題にあがったかを明らかにしなかった。日本政府は米国によるベネズエラ攻撃を支持も非難もしない曖昧な対応をとっている。

(尾方亮太、ワシントン=飛田臨太郎)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。