イランで政府への抗議デモが拡大したことを受け、国連安全保障理事会は15日、緊急会合を開いた。開催を求めた米国は、イラン当局による弾圧で多くの犠牲者が出ていると訴え、軍事介入の選択肢を排除していないことを示唆。イランは、米国の介入を牽制(けんせい)し、米国の対応によっては報復する構えも示した。
米国のウォルツ国連大使は「トランプ大統領は行動する男だ。虐殺をとめるためには全ての選択肢があると述べてきた」と強調。イランの代表は「武力による威嚇や武力行使は国際法や国連憲章違反だ」とした。中国やロシアも米国を非難した。
トランプ米政権は15日、イランの抗議デモに「暴力と残酷な弾圧」で対処したとして、イランの国家安全保障最高評議会のラリジャニ事務局長ら幹部を制裁対象にしたと発表した。レビット米大統領報道官は、トランプ氏が引き続き「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。一方、レビット氏によると、トランプ氏は15日、イランで14日に処刑されることになっていた800人に対する執行が中止になった、との報告を受けた。
複数の米メディアによると、イスラエルのネタニヤフ首相はトランプ氏にイランへの攻撃を見合わせるよう要請した。想定されるイランの報復に対するイスラエルの備えが万全でないことや、攻撃したとしても効果が限定的とみられることが理由だという。地域の不安定化を懸念するカタールやサウジアラビアなどのアラブ諸国も、攻撃を自制するよう促しているという。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、米国が軍事介入した場合にイランが報復する可能性が指摘されているカタールの米軍基地をめぐり、米軍が警戒レベルを引き下げたと報道。一方、米空母エイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群が南シナ海から中東に向けて航行しているといい、イランへの圧力も維持する構えとみられる。
イラン全土、レベル4に
日本外務省は16日、イラン全土の危険情報を最も高いレベル4の退避勧告に引き上げた。
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