「暗黒酸素」が存在する可能性を説明する日本財団幹部(20日、ロンドン)=共同

【ロンドン=共同】英国のスコットランド海洋科学協会や日本財団などは20日、太陽光が届かない海底で酸素が発生している可能性があるとして、本格調査のため共同研究プロジェクトを発足したと発表した。ロンドンで記者会見した研究チームは「暗黒酸素」と呼ぶ未知の酸素の存在に自信を示した。

酸素は主に植物の光合成によりつくられるが、スコットランド海洋科学協会は2024年、深海で酸素が増える現象を確認したと発表した。マンガンといった金属を多数含む深海の鉱物などの塊が、海水を水素と酸素に分解しているとの仮説を立てた。ただ「暗黒酸素」の存在を否定する研究者もいる。

調査は、米ハワイ州沖のクラリオン・クリッパートン海域で今年5月から実施。日本財団が総額520万ドル(約8億2千万円)を支援し、専用の探査機器を開発した。米国のノースウエスタン大とボストン大も参加し、酸素の発生に微生物が関わっている可能性も探る。 

同協会のスイートマン教授は「海底の生態系環境の解明につながる研究だ」と述べた。海底の鉱物資源採取の在り方や環境保全を考えるきっかけにもなるとした。日本財団は「暗黒酸素の存在を巡る議論に終止符を打つ」研究成果が出ることに期待した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。