アイオワ州を訪れたトランプ氏(27日)=AP

【ワシントン=芦塚智子】米中西部ミネソタ州ミネアポリスで起きた連邦捜査官による男性の射殺事件で、男性が銃を携行していたことを批判するようなトランプ大統領や政権幹部の発言に銃ロビー団体が反発している。11月の中間選挙を前に、共和党の重要な支持基盤の一つである銃愛好者の結束にほころびが出ている。

トランプ氏は27日、記者団に対し、24日に移民を取り締まる捜査官に射殺された看護師のアレックス・プレッティさん(37)について「銃を携帯しているべきではなかった。2つの装塡された弾倉を持っていたことはよくない」と述べた。

トランプ氏の発言について全米銃権利協会はX(旧ツイッター)への投稿で「大統領は単純に間違っている。残念なことに、これは大統領による単なる言い間違いではない。より広範な他の政権高官たちのメッセージの問題を反映している」と批判した。

プレッティさんは合法的な銃保持の許可証を持っていた。国土安全保障省(DHS)は、プレッティさんが銃を携えて捜査官に近づいたことによる正当防衛だと主張している。

米主要メディアによる映像の分析では、プレッティさんは銃を手に持ってはおらず、捜査官が発砲する前に銃は取り上げられていたとみられる。

米連邦捜査局(FBI)のパテル長官は25日、FOXニュースのインタビューで「弾を込めた銃を複数の弾倉と一緒に持って抗議活動に行ってはいけない」と述べた。ノーム国土安全保障長官も、「プラカードの代わりに銃と銃弾を持って現れる平和的な抗議者など聞いたことがない」と語った。

ミネソタ州の銃愛好者団体はX(旧ツイッター)への投稿で、同州では銃を携行して抗議活動や集会に参加することは禁じられていないとしてパテル氏の発言を「完全に間違っている」と批判した。全米銃権利協会もXで、ノーム氏の発言を引用して「銃を持っているだけで犯罪の意思の証拠にはならない」と反論した。

米最大の銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」も、ボンディ司法長官が任命した連邦検事が、銃を持って近づいた場合は連邦捜査官による射殺が正当化されるとXで示唆したことについて「危険で間違っている」と非難した。

こうした反発を受け、レビット大統領報道官は26日の記者会見で「トランプ大統領は法を順守する米国民の憲法修正第2条の(銃保有の)権利をもちろん支持している」と強調した。そのうえで、移民取り締まり活動を妨害する権利はないと説明した。

銃ロビー団体は選挙での集票や献金で大きな政治的影響力を持つ。政権への不満があっても銃規制強化を掲げる民主党の支持に回る可能性は低いが、中間選挙で議会の多数派を死守したい共和は動員力に陰りが出ることは避けたいとみられる。

米調査団体ピュー・リサーチ・センターの2023年の調査によると、米成人の32%が銃を保有していると答えた。

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