中米パナマの最高裁判所は1月29日、パナマ運河の両端にある2港の運営について、パナマ政府と香港企業の子会社が結んだ契約を違憲とする判決を下した。「パナマ運河は中国が支配している」と主張するにトランプ米政権にとって有利な判断となった。

 2港の運営は1997年から、長江和記実業(CKハチソンホールディングス、香港)の現地子会社が担い、2021年に契約を更新した。

  • ベネズエラの37年前、米が捕らえたパナマの独裁者 類似点と違う点

 だが、パナマの会計監査当局は25年7月、契約の見直しを求めて最高裁に提訴。最高裁は「契約は公共の利益に寄与しておらず、私的利益を優先している」として違憲と判断したという。

トランプ氏「パナマ運河を取り返す」

 トランプ米大統領は昨年1月の就任後、海上貿易の要で、地政学的に重要なパナマ運河について「中国に支配されている」と主張し、「米国が取り返す」と訴えている。

 CKハチソンはトランプ氏の圧力を受け、米国などの企業連合と、パナマ運河の港湾など43港の運営権の売却交渉を進めていた。だが、中国の投資家も企業連合に加わり、交渉は難航していた。

 今回の判決により、売却交渉は棚上げされる可能性がある。ムリーノ大統領は30日、「開かれたプロセスで新たな契約事業者を決める」と発表。判決確定後は当面、デンマークの海運大手傘下が運営するという。

歓迎する米国、反発する中国と香港

 ルビオ米国務長官は30日、判決を「歓迎する」とSNSで評価した。一方、中国外務省の報道官は「中国企業の正当な権益を断固として守るため、必要なあらゆる措置を講じる」と表明した。

 また、香港政府は判決について「強烈な不満と断固とした反対」とする声明を発表。トランプ米政権を念頭に、「現地における香港企業の合法的な経営権益を損なう外国政府による、いかなる脅迫、圧力にも反対する」と訴えた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。