
米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは類人猿のボノボが想像力を駆使した「ごっこ遊び」をしたとする研究成果を発表した。コップに飲み物を注ぐ身ぶりをすると、ボノボは存在しないジュースを認識した。想像力は従来、人間に特有の能力と考えられていたが、類人猿とヒトが分岐した600万〜900万年前の共通の祖先にまで遡る可能性がある。
研究成果は米学術誌「サイエンス」に掲載された。

研究チームは、2025年3月に44歳で死去したオスのボノボ「カンジ」(当時43歳)に人間の子どもたちがするような「お茶会ごっこ」を試した。カンジは高度な言語能力などを示し、「天才ボノボ」と称されていた。
まずカンジが存在しないジュースを想像できるか検証した。具体的には2つの空のコップを用意して片方のコップにジュースを注ぐジェスチャーをした。カンジに「ジュースはどこ?」と聞くと50回のうち34回(68%)、想像上のジュースが入ったコップを指さした。
カンジが本物のジュースが入っていると勘違いした可能性があるため、次の実験では本物のジュースが入ったコップと、ジュースを注いだふりをしたコップを並べてカンジに選ばせると、18回中14回(78%)、本物のジュースが入ったコップを選んだ。また空の容器からブドウを取り出して2つの瓶の片方に入れるジェスチャーをした実験でも45回中31回(69%)、ブドウがあると想像できる瓶を指さした。
人間とコミュニケーションをとる訓練を受けていない他の類人猿に当てはまるかは不明だが、人間以外の動物が仮想のシナリオの中で想像上の物体を追跡できるという実験的証拠になる可能性がある。
研究を主導したジョンズ・ホプキンス大のクリストファー・クルペニエ博士は「想像力が人類だけのものではないという考えは革新的だ」とコメントした。
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