予測市場のカルシは信用取引ができるよう米当局と協議している=AP

【ニューヨーク=吉田圭織】米国で予測市場(賭けサイト)と従来型の金融商品の境目が薄れてきている。投機ニーズを取り込んだ「丁半ばくち」的なサービスの人気が急増しており、取引所や予想市場は高まる需要を取り込もうと新しい商品展開を急いでいる。予測データそのものを機関投資家が重要視する動きも出てきている。

予測市場運営大手のカルシは信用取引が可能になるように米当局と協議していることが、6日までに分かった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が関係者の話として報じた。これまでは個人投資家が主な顧客だったが、信用取引が可能となれば、ヘッジファンドなどの機関投資家に顧客層を広げられる。

金融業界も予測市場に似た商品を投入する動きも広がっている。米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の関係者によれば、「丁半ばくち」にも似た「オール・オア・ナッシング」方式で予想が当たった場合に資金が得られるオプション商品の導入を計画している。具体的な仕組みは検討中だという。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは2日、この金融商品をめぐり、CBOEが証券会社と協議中だと伝えた。同社は2008年にもこうしたオプション商品を提供したが、その後廃止した。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループも25年12月下旬にフラッター・エンターテインメント傘下のスポーツ賭博のファンデュエルと共同で予測市場のプラットフォームを展開し始めた。

予測市場のデータにも金融業界の関心が高まっている。英調査会社クリシル・コアリション・グリニッチが市場関係者を対象としたアンケート調査では、予測市場のデータは「価値がある」または「非常に価値がある」と答えた人が73%に上った。

回答者からは既存のマーケットデータを補足する役割を果たせるほか、「ユニークで自分では入手困難な視点についてのデータが手に入る」との指摘があった。

米ネット証券大手チャールズ・シュワブのリック・ワースター最高経営責任者(CEO)は米ヤフー・ファイナンスの番組で「予測市場は様々な出来事の確率に関する見方を提供できる。投資家にとって価値のある情報だ」と話した。

ワースター氏は自社で予測市場を運営する見通しはないものの、将来的には顧客に予測市場データがみれるようにする機能を提供すると述べた。

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