ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(五輪)の開会式が開かれたミラノで6日、米国の移民税関捜査局(ICE)捜査官のイタリアへの派遣に抗議するデモがあり、1千人以上が集まった。イタリアのメローニ首相は「ICEがイタリアで取り締まり活動をすることはない」としているが、市民の間では不信感が渦巻いている。

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 ICEの五輪派遣をめぐってはAFP通信が1月下旬、米国の五輪代表団の警備のため、ICEがイタリアに捜査官を派遣する計画があると報道。イタリア国内から強い反発が出た。

 ミラノのサラ市長は「ICEはミラノに歓迎されない」と即座に反応。メローニ政権で連立与党に入っている少数政党「我々穏健派」のルーピ党首からも「愚行に見える」と批判の声があがった。

 これに対し、イタリア内務省は、「ICEの分析官はミラノの米国領事館内でしか活動しない」と声明を発表。警備のための情報収集が任務の中心になると強調した。メローニ首相も5日、テレビ番組で「ICEはイタリア領土内で取り締まり活動はできないし、行わない」と説明した。

 しかし、市民の不信感は根強い。

 6日に学生が中心となって呼びかけたミラノでのデモでは、1千人以上の参加者が集まり、「ICEはミラノから出ていけ! ファシズムに反対!」などと叫んだ。

 高校生のロッジェーロ・チーマさん(18)は、米ミネソタ州でICEの捜査官に市民が射殺される事件が相次いだことについて、「非常に恐ろしいことだ。ICEがなぜミラノに派遣される必要があるのか理解できない」と語った。

 父親が五輪関係のバス運転手をしているという高校生のアンドレア・コキーさん(14)は、「米国のファシズム的な動きが、イタリアに広がらないか不安だ。今の米国のようになってほしくない」と訴えた。

 メローニ首相は6日、五輪開会式に出席するためミラノを訪れていた米国のバンス副大統領、ルビオ国務長官と会談。イタリア首相府によると、両国の戦略的関係の強さを確認し、エネルギー安全保障やイラン、ベネズエラ情勢などについて話し合ったという。

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