
【ニューヨーク=佐藤璃子】代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン価格の軟調な推移が続いている。11日は一時6万5000ドル台後半をつけた。機関投資家による資金引き揚げも相次ぎ、関連上場投資信託(ETF)からの純流出額は前週に約8億7500万ドル(約1350億円)と、2025年11月以来の大きな流出額となった。仮想通貨を保有する企業の株価にも打撃が生じている。
ビットコイン価格は25年10月につけた最高値(12万6000ドル台)から半値に近い水準で推移している。2月初旬のテック株安の影響などを受けた極端な下落局面は一服したものの、足元では7万ドルを下回る水準で動きが停滞。本格回復が見通しにくい状況が続く。
ビットコイン価格の低迷が続いている背景について、ドイツ銀行はリポートで機関投資家の資金流出と流動性の低下を一因に挙げている。

QUICK・ファクトセットの週次データによると、ビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」は6日までの週に約8億7500万ドルが流出した。金融政策を巡る不透明感や利益確定売りに押された25年11月以来、約2カ月半ぶりの大きな純流出額となった。
同ETFの運用資産残高(AUM)は10日時点で540億ドルにのぼり、最大級のビットコインETFとされる。ETFは売買がしやすく、個人だけでなく機関投資家も利用する。ドイツ銀行は、投資家の間で仮想通貨に対する悲観論が高まっていると見る。
ビットコイン価格と連動しやすい仮想通貨保有企業の株安も投資家マインドを悪化させている。ビットコイン発行量の3%を保有しているとされる米ストラテジーの11日時点の株価は25年末比で17%下落した。同社は転換社債などを発行してビットコインを購入するなど財務レバレッジをきかせており、値動きが大きくなりやすい。
仮想通貨イーサリアムに投資する米ビットマイン・イマーション・テクノロジーズは同28%、マイニング(採掘)大手のMARAホールディングスは同16%下落している。東証スタンダード上場のメタプラネットも10日時点で年末比が12%安となっている。

情報サイトのコインマーケットキャップによると、投資家のリスク姿勢を示す「フィア・アンド・グリード(恐怖と欲望)指数」は11日時点で「極度の恐怖」を表す9となっている。0から100の範囲で評価され、値が低くなるほど投資家の「恐怖」感情が大きくなっていることを示す。
不安定な相場が続く中、市場では下値の手がかりを探す動きもある。専門家の間で見方は割れるものの、仮想通貨関連サービスを手がける米ギャラクシー・デジタルのアレックス・ソーン氏は「弱気相場において、200週移動平均の5万8000ドルが一貫した強いサポートライン(下値支持線)になっている」と指摘する。しばらくは油断できない状況が続きそうだ。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。