米環境保護局(EPA)は12日、米国内の温室効果ガス対策の法的根拠となる政府の解釈を取り消すと発表した。2009年のオバマ政権時につくられた解釈で、これをもとにガソリン車や発電所、工場などへの様々な規制が導入されていた。トランプ第2次政権では、これまで積み上げてきた気候変動対策を徹底的に解体しようとする姿勢が目立っている。

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 取り消すのは、法律で排ガス規制などをする際に、何が規制物質にあたるかを位置づける政府の解釈「危険性認定」。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書などを踏まえ、二酸化炭素やメタンなど6種類の温室効果ガスが大気中に増えることが高温や異常気象につながり、公衆衛生や福祉を危険にさらすとした。この解釈がガソリン車や工場などの排ガスを法律で規制するための根拠だった。

 しかし、EPAは特にガソリン車の排ガス規制などを緩和する必要性などを主張し、昨年7月に取り消しを提案。トランプ米大統領は今月12日の会見で、危険性認定が「米国の自動車産業に深刻な損害を与え、米国消費者の負担を大幅に増大させた」と主張し、取り消しは「史上最大の規制緩和措置」になるとした。米国の電気自動車市場に対する逆風がさらに増すとみられている。

 これに対し、解釈をつくったオバマ元大統領は同日、「これがなければ、私たちはより安全ではなく、より健康ではなく、気候変動と戦いにくくなる」とX(旧ツイッター)に投稿した。

 気候変動対策を「史上最大の詐欺」と呼ぶトランプ氏は、第2次政権発足直後の昨年1月に国際ルール「パリ協定」から離脱を表明。今年1月にはパリ協定の参加前提で、国際協調の基盤となる「国連気候変動枠組み条約」からも離脱を表明し、気候変動分野で米国が国際社会に戻りづらくした。今回の危険性認定の取り消しも、個別の規制ではなく土台から覆すもので、政権が交代しても再び元に戻すには時間がかかるとみられている。

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