バングラデシュのラーマン新首相は国内融和への取り組みが大きな課題となる(17日、首都ダッカでの就任宣誓式)=AP

バングラデシュ総選挙で主要政党のバングラデシュ民族主義党(BNP)が3分の2を超す議席を得て大勝し、タリク・ラーマン党首が新首相に就任した。

独裁色の強かったハシナ前政権が2024年8月に若者主体の反政府デモで崩壊して以降、同国は政情不安が続いてきた。新政権は国内融和に取り組み、民主主義の回復を着実に進めてほしい。

ラーマン氏は同国初の女性首相だったカレダ・ジア元首相の長男だ。昨年末、亡命先の英国から17年ぶりに帰国し、母の死去を受けて党首に就いた。

1971年にパキスタンから分離独立したバングラは、軍事政権期を経て91年に民主化し、ジア氏のBNP、ハシナ氏のアワミ連盟(AL)が政権交代を繰り返した。2009年にハシナ氏が2度目の首相に就いて以降、野党弾圧や言論統制など強権化が進んだ。

24年の激しいデモを受けて、ハシナ氏は隣国インドへ逃亡。ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏率いる暫定政権が選挙準備を進めてきた。デモ対応で1400人の死者を出したとして、ALは選挙への参加を禁じられた。

かつてのBNP政権も、ALの幹部や支持者を弾圧した経緯がある。ラーマン氏は分断を修復する難しいかじ取りが求められる。

選挙と同時に実施した国民投票では、暫定政権が策定した国家改革案が7割を超す賛成を得た。首相の任期制限や上院創設など権力監視を強める内容だ。新政権は着実に実現していく責務がある。

ハシナ氏の身柄引き渡しに応じないインドとの関係改善や、11月に控える国連の「後発発展途上国」からの卒業後の輸出競争力の維持など、外交・経済の課題にも早急に取り組まねばならない。

最大の援助国として港湾や鉄道などのインフラ整備を後押ししてきた日本は、今月初めにバングラにとって初となる自由貿易協定(FTA)を結んだ。伝統的な友好国の政情安定や民主化定着のため、最大限の支援をすべきだ。

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