
【ロンドン=共同】ノルウェーのニュースサイトは14日、トランプ米大統領が7月にノルウェーのストルテンベルグ財務相と電話した際、ノーベル平和賞の話題に触れ、受賞を望んでいると伝えていたと報じた。平和賞はノルウェー議会が任命した5人で構成する委員会が選考する。専門家らは「政府への圧力と受け取られる可能性がある」と指摘している。
経済系ニュースサイト「ダーゲンズ・ナーリングスリーブ(DN)」によると、トランプ氏はストルテンベルグ氏に突然電話し、関税問題のほか平和賞の話題を持ち出した。世界平和に尽力してきた自分こそふさわしいと語り、受賞を切望していると語ったという。今年の平和賞は10月10日にノルウェー・オスロで発表される。
トランプ氏は5月のインドとパキスタン、7月のタイとカンボジアの武力衝突などの停戦を仲介し平和をもたらしたと繰り返し誇示している。
ストルテンベルグ氏は北大西洋条約機構(NATO)前事務総長で、トランプ氏と良好な関係を維持した。DNの取材に、トランプ氏と関税問題を話したことは認め、平和賞についてはコメントを避けた。
ホワイトハウスは12日、X(旧ツイッター)の投稿で、イスラエルやカンボジアなど各国首脳らの名前を列挙し「世界はトランプ氏の平和賞授与を求めている」とアピールした。
ノルウェーのシンクタンクの米専門家ロッケ氏は、投稿は圧力になると指摘。「トランプ氏がノーベル委員会は政治的に独立しておらず、ノルウェーの政治家や政府に圧力をかけられると思っているなら問題だ」と懸念を示した。
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