パキスタン政府は21日夜、アフガニスタン領内を一斉に空爆したと発表した。アフガニスタンを実効支配するイスラム主義勢力タリバンの国防省は、この空爆により数十人が死傷したと明らかにした。
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パキスタンでは首都イスラマバードで6日、イスラム教シーア派の礼拝施設で男が自爆し、30人以上が死亡し、過激派組織「イスラム国(IS)」系の「ISホラサン州」が犯行声明を出した。アフガニスタン国境に近い複数の町でも軍施設を狙った自爆攻撃が相次ぎ、反政府勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」が犯行を認めていた。
パキスタン情報省は声明で、IS系組織やTTPがアフガニスタンに潜伏し、タリバン当局が取り締まらなかったと批判。今回は両組織の拠点など国境近くの7地点を報復攻撃したと発表した。
タリバンの国防省は声明で、東部ナンガルハル州やパクティカ州で民家や宗教施設が空爆を受けたと主張。「あからさまな主権侵害であり、国際法とイスラム教の価値観に反している」として報復を予告。タリバンの報道官は「パキスタン軍部は、自国の治安の弱さを犯罪行為によって埋め合わせようとしている」と強く非難した。
パクティカ州からのSNS映像では、暗闇の中でスマートフォンの明かりを頼りに、がれきを捜索する住民の姿が見える。
パキスタン当局とタリバンはかつて近い関係にあったが、タリバンがアフガニスタンで再び実権を握った2021年以降、アフガン領内に潜伏するTTPの扱いをめぐり関係が悪化した。
昨年10月には、国境地帯の全域で軍事衝突が起き、双方あわせて200人以上が死亡。中東カタールやトルコの仲介で停戦に合意したものの、衝突がたびたび起きている。
一方、IS系組織はアフガン領内でタリバンを標的にした攻撃を繰り返すなど、両者は敵対関係にあるとみられている。
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