米国の同盟国の核保有を論じた「フォーリン・アフェアーズ」の論文(ウェブ版、スクリーンショット)
この種の議論自体は新しくない。1980年代には米国の政治学者、ケネス・ウォルツが主張し大論争に発展した。その後も、一部保守論客の中ではくすぶり続けてきた。今回、改めて注目を集めている背景にはトランプ政権の再登場(トランプ2.0)がある。同盟国の軍事費負担増が強く求められ、米国の拡大抑止の信頼性に疑問を抱く風潮もあるなか、核の「選択的拡散」や「友好的拡散」が改めて耳目を集めている。 ソ連解体で残った核をロシアに返還したウクライナがロシアに侵攻されていることも、自主核武装論を刺激する要因となっている。 だが、米国の「良い子」核保有論は、現実には数々の難題がある。 主なものだけでも、まずはNPT(核拡散防止条約、約190カ国加盟)体制の瓦解(がかい)につながりかねない点がある。NPTは米ロ中英仏の5カ国には核保有を認め、他への拡散を違法化する不平等条約だ。 それでもNPTに基づいて、無秩序に核拡散が進むのを防ぐ方が国際安全保障、国家安全保障にとってはプラスとの考えが広く共有されてきた。米国と同盟国に都合のいい「良い子」拡散を推進すれば、この根本を崩...残り 664/1328 文字
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