デンマーク自治領グリーンランドに上陸するデンマーク軍兵士(1月)=AP

【ロンドン=渡部泰成】デンマーク公共放送DRは19日、米軍がデンマーク自治領グリーンランドに侵攻した場合に備え、同国が領内の主要滑走路を爆破する計画を立てていたと報じた。米軍機の着陸を阻止する目的だった。領内へ1月に軍を派遣した際、滑走路の破壊に必要な爆発物や負傷者を治療するための輸血用血液を輸送したという。

当時は米国が1月3日にベネズエラへ大規模攻撃を実施し、マドゥロ大統領らを拘束した直後だった。デンマークの政府関係者は、DRの取材に「あらゆるシナリオを真剣に検討せざるを得なかった」と答えた。英紙フィナンシャル・タイムズも19日、欧州当局者がこの報道内容を認めたと報じた。

トランプ米大統領はかねて北極圏の地政学的要衝であるグリーンランドの所有を目指す発言を繰り返してきた。1月4日には地元メディアのインタビューに「グリーンランドは絶対に必要だ」と応答。軍事攻撃や追加関税も辞さない考えを示し、デンマークを含む欧州8カ国などに圧力をかけていた。

一方、1月22日に開かれた世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)での演説では、グリーンランド取得のための武力行使はしないと明言。欧州8カ国への追加関税の見送りも表明した。

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