
【ワシントン=共同】米国務省は20日、世界各地の自然災害や人道危機に対処する「災害人道対応局」を新設した。廃止された国際開発局(USAID)の業務の一部を引き継ぐ。米国第一を掲げるトランプ政権は対外支援の必要性を疑問視しており、従来より大幅に体制が縮小された。
USAIDは発展途上国の人道支援や公衆衛生、民主主義強化など幅広い分野で援助を提供してきたが、トランプ大統領は「腐敗している」と主張。昨年7月に廃止し、災害対応など一部を国務省に移管していた。
政府高官によると、災害人道対応局の職員は約200人で、国内外12カ所の拠点で活動する。年間の予算は約54億ドル(約8600億円)。気候変動といった分野ではなく地震や洪水などの被災者の「命を救う」活動に焦点を当て、援助の質を高める構想としている。
高官は「全ての災害や危機に対応するのが米国の責任ではない。米国の敵対勢力が関わる場合はなおさらだ」と述べた。
USAIDでは1万人以上が従事し、130以上の国や地域で事業を実施していた。
英医学誌ランセットが昨年公表した研究では、USAIDの資金が貧困国の病気の撲滅や公衆衛生を支え、多くの命が救われてきたと分析。援助体制の大幅縮小で2030年までに1400万人以上の死亡につながる可能性があると指摘した。
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