北朝鮮で国会に当たる最高人民会議に臨む金正恩総書記(奥左端)(23日、平壌)=朝鮮中央通信・共同

【ソウル=小林恵理香】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は23日、最高人民会議(国会に相当)の施政方針演説で「韓国を最も敵対的な国家として公認する」と表明した。24日、朝鮮中央通信が伝えた。

北朝鮮が韓国を「敵対的な二つの国家」だとする方針を憲法に反映するかが注視されていたが、言及はなかった。

韓国にある北韓大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は憲法改正で韓国を「敵」と明文化した場合は金正恩氏の演説で何らかの言及があったはずだと指摘する。「現時点で明文化する実益がなかったと判断した可能性がある」との見方を示した。

金正恩氏は米国について「世界各地で国家テロと侵略行為をほしいままにしている」と非難した。1月の米軍によるベネズエラ攻撃や、米国とイスラエルによるイラン攻撃を指した発言とみられる。

今後も戦争の抑止力として核戦力を拡大していく方針を示した。「予見性を持って将来到来する安保の脅威と最悪の変化にも対処できる実質的な能力を確保したことは真に正しいことだった」と述べ、核・ミサイル開発の正当性を強調した。

不確実性が増す国際情勢に照らし「古い基準に縛られていた外交慣行から脱却し、新たな外交戦術を駆使すべきだ」とも主張した。対決か平和的共存かは相手側の選択次第としたうえで「我々はいかなる選択にも対応する準備ができている」と語った。

最高人民会議は22日に始まり、23日に終了した。23日の会議では憲法を改正した。正式名称の「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」から「社会主義」を削除すると決めた。

韓国・統一研究院の洪珉(ホン・ミン)先任研究委員は「外交をより広く展開するため、社会主義色を弱める意味合いがあるのではないか」と分析した。

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