月周回拠点「ゲートウエー」のイメージ画像=NASA提供

【ヒューストン=赤木俊介】米航空宇宙局(NASA)は24日、月を周回する有人拠点「ゲートウエー」の計画を凍結すると発表した。代わりに約3兆円を投じ、月面基地の建設に注力する。NASAはトランプ米大統領が2025年12月に大統領令で打ち出した宇宙戦略に基づき、月と火星の探査計画の見直しを進めている。

NASAは有人月面探査「アルテミス計画」で28年の月面着陸を目指す。宇宙航空研究開発機構(JAXA)も初期から参画しており、計画の一部だったゲートウエーの整備に向け20年に日米両政府が覚書に署名していた。

JAXAはゲートウエーの居住棟で利用する機材の提供や補給ミッションで協力する予定だった。

NASAによると、ゲートウエー向けに開発した技術は月面基地に転用する。月面基地の建設に向け、今後7年間で200億ドル(約3兆1800億円)を投じる。

NASAは3段階のプロセスで月面基地を建設する。まず、月輸送を民間企業に有償で委ねるNASAの「商業月面輸送サービス(CLPS)」を利用して月面へ計器や月面探査車(ローバー)といった機材を送り、月面でのモビリティ・発電技術を実証する。

月面での継続的な有人活動を支援し、一時的な居住が可能な仮拠点を設置する。JAXAなどが開発する探査車「有人与圧ローバー」も利用する。最終段階として月面にインフラを設置し、定期的な探査活動から恒久的な月面基地の利用へと移行する。

また、NASAは28年までに原子力推進システムを搭載した無人宇宙船を火星に送り、ヘリコプター型の探査機を火星に届けると発表した。宇宙空間での原子力推進の実証を目指す。

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