ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演した興梠一郎氏

高市早苗首相とトランプ米大統領は19日にワシントンで会談し、対中外交についても意見をすり合わせたとみられます。トランプ氏は「習近平(シー・ジンピン)国家主席と会う際に、日本を大いにたたえるつもりだ」と語り、5月14〜15日に予定する訪中で習氏に高市氏の立場を強調する考えを示唆しました。

習政権は日本を狙い撃ちにした強硬姿勢を少しは緩めるのでしょうか。神田外語大学の興梠一郎教授はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し、習政権は高市政権に対して「引くに引けなくなっている」と指摘し、経済と安全保障の両面で日本への威圧を続けるとの見通しを示しました。

中国経済の厳しい状況を考えれば、習政権は日本企業の投資を国内に引き込みたいのが本音のはずです。ところが、3月22日に北京で開いた世界の大手企業トップらを集めた国際会議の参加者名簿には、これまで常連だった日本企業幹部の名前が含まれていませんでした。

興梠氏は「かつての中国だったら、政界と官界と企業を分けて考え、あえて企業を取り込んで政官を動かしてきた。それなのに、こんな露骨に日本企業だけを外すやり方では、どんどん敵をつくるだけだ」と驚きを隠しません。

中国がこれだけ日本に強硬な姿勢をとり続ける背景には、習氏の直接の指示があるとされています。だとすれば、中国の役人にとって少しでも日本の肩を持つのはリスクでしかないのでしょう。

興梠氏が特に注目するのは、中国の地方財政が一段と悪化している点です。中国財政省によると、今年1〜2月に地方政府が土地使用権を売却して得た収入は前年同期に比べ25%減りました。ピークだった2021年の1〜2月と比べると7割近い減少です。

不動産不況で地方政府の財政は火の車になっており、インフラ投資が滞ったり公務員に給料を払えなかったりといった問題が生じています。「社会にものすごく大きな影響が出てくる」というのが興梠氏の見解です。

興梠氏は2027年の秋に予定される次の中国共産党大会に向け、人事がすでに動き出しているとの見方も示しました。興梠氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。

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(編集委員 高橋哲史)

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