
【NQNニューヨーク=戸部実華】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比793ドル47セント(1.72%)安の4万5166ドル64セントだった。米原油先物相場が上昇し、株式相場の重荷となった。中東での軍事衝突が激化し、長期化しかねないとの懸念が強く、週末を前に主力株への売りが広がった。
2月10日に付けた最高値(5万0188ドル)からの下落率は「調整局面入り」の目安とされる10%に達した。
イランのウラン関連施設が米国とイスラエルの攻撃を受けたと27日に伝わった。イランの鉄鋼工場や重水炉も攻撃されたと報じられた。イランのアラグチ外相は攻撃に対して「イランは相応の重い代償を支払わせる」とSNSで批判し、報復する姿勢を示した。
船舶情報会社マリントラフィックは27日、海運大手の中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)のコンテナ船2隻がホルムズ海峡を通過できず引き返したとSNSに投稿した。中東の原油供給が滞る状態が続くとの観測も根強い。
イラン情勢を巡る先行きが見えないなか、市場では「27日の攻撃のニュースは紛争の拡大を意識させる内容で、不透明感が株売りを促した」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との声が聞かれた。
米原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近5月物は1バレル99.64ドルと、26日終値に比べ5%あまり上昇して通常取引を終えた。一時は100ドル台に乗せた。インフレ懸念も高まっており、米長期金利は一時4.48%と2025年7月以来の高水準を付けた。原油高や金利上昇が投資家心理を冷やした。
ミシガン大学が27日に発表した3月の米消費者態度指数(確報値)は53.3と速報値(55.5)から下方修正された。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(54.0)も下回った。イラン情勢を背景としたガソリン価格の高騰と金融市場の変動で、消費者心理は急速に悪化していると受け止められた。
ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやセールスフォース、マイクロソフトが売られた。ビザやJPモルガン・チェース、ユナイテッドヘルス・グループも安い。一方、シェブロンやコカ・コーラ、メルクは上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、終値は前日比459.724ポイント(2.14%)安の2万0948.357(速報値)だった。メタプラットフォームズやテスラが売られた。情報セキュリティーソフトのパロアルト・ネットワークスやサイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスの下げも目立った。
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