ゼレンスキー大統領(8月29日)=AP

【キーウ=共同】ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は8月31日、通信アプリに「国を守るために積極的な行動に出る。戦力と兵器は準備済みで、新たな(ロシア)深部への攻撃を計画している」と投稿し、ロシア領への攻撃を示唆した。また、今年1〜8月のロシア軍の戦死者と重傷者が計29万人に上ったとの見方を示した。

計画の詳細は不明だが、欧米がウクライナに供与した長射程兵器のロシア領への使用には制限があるとされる。

ゼレンスキー氏は、ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシク方面に戦力を集中させているものの、ウクライナ軍が押し返していると強調した。

一方で、ドネツク州のロシア実効支配地域のトップ、プシーリン氏は31日、同州の南部地域を完全に制圧したと主張。現在は隣接するドニプロペトロウスク州で進軍を続けており、ドネツク州完全掌握の足掛かりにする狙いとしている。

ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は30日、春から夏にかけての戦況報告で「現時点で戦略的な主導権はロシア軍が完全に握っている」と強調した。これを受け、ウクライナ軍参謀本部は、ゲラシモフ氏の発言を「希望的観測で全くのうそだ。ロシアの季節攻勢は、成果を上げずに終わった」と否定した。

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