18日、カンボジアの首都プノンペンで、国旗を掲げて歩く人々(共同)

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は3日、カンボジアから日本に亡命した反体制派ら23人への聞き取り調査で、大多数が日本でデモなどの活動をやめるようカンボジア当局から嫌がらせを受けたと証言したと明らかにした。自国に残る家族らにも圧力をかけているとしている。

HRWは「国境を越えた弾圧」だとして批判。6月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明で越境弾圧を非難した日本政府にも、対応窓口をつくるなど対策を求めた。

HRWは4〜7月、日本に住む10〜40代のカンボジア人を調査。ほとんどが日本で難民認定を申請し、うち5人が認められた。

2014年に治安部隊に夫を射殺された女性は、18年に日本に移り住みデモなどに参加。23年、交流サイト(SNS)での抗議がカンボジアで罪に問われ、欠席裁判のまま罰金を科された。

21年には日本でデモに参加した人の親戚を警察が訪ね「反政府活動の動画を見た。もし続くようだったら帰国すれば逮捕する」と警告した。24年には政権与党カンボジア人民党の党員に日本で直接活動停止を求められたとの証言もあったという。

政権側は野党弾圧を強化し、国外での発言も監視。日本はカンボジアの民主化を目指して国外に逃れた人の拠点の一つとなっている。HRWの担当者は「活動家や野党党員に対する著しい弾圧の範囲を、日本を含む海外に広げている」と指摘した。

〔共同〕

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