ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比51ドル83セント安の4万5219ドル40セントで推移している。米労働市場の減速感が意識され、株売りを誘っている。一方、前日まで3日続落した後で主力株の一角に押し目買いが入り上昇に転じる場面もある。

4日朝発表の8月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数は前月比5万4000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(7万5000人増)を下回った。週間の新規失業保険申請件数は23万7000件と、市場予想(23万件)を上回った。前日発表の7月の米雇用動態調査(JOLTS)も労働市場の減速を映したと受け止められており、米経済や雇用を巡る先行き不透明感が意識されている。

セールスフォースが一時8%ほど下げ、ダウ平均の重荷となっている。前日夕に四半期決算とあわせて発表した2025年8〜10月期の売上高見通しの中央値が市場予想に届かなかった。

もっとも、米長期金利の上昇が一服するなか、ハイテク株の一角を中心に買いも入り、ダウ平均は上昇する場面もある。5日に8月の米雇用統計の発表を控え、内容を見極めたい雰囲気も強い。

個別銘柄ではユナイテッドヘルス・グループやボーイング、メルクが売られている。一方、アマゾン・ドット・コムの上昇が目立つ。トラベラーズやゴールドマン・サックス、ホーム・デポも買われている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。

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