ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月7日の動き)
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ロシア軍の最大規模の攻撃受ける キーウ 集合住宅で捜索活動
ウクライナでは7日朝にかけて、ロシア軍がミサイル13発と800機を超える無人機による攻撃を行い、首都キーウでは中心部にある政府の庁舎に初めて被害が出たほか、各地の住宅などにも被害が相次ぎました。

このうち、生後2か月の男の子と母親が死亡した、キーウ市内の集合住宅では、建物の一部が大きく壊れ、捜索活動が続けられていました。

義理の両親が集合住宅に住んでいるという30代の男性は「ここは武器や工場はなく、人々が住むただの家だ。ロシアに戦争をやめてほしい。私の望みはそれだけだ」と話していました。
アメリカのシンクタンクのデータなどによりますと、ひと晩の無人機による攻撃としてはこれまでで最も多いということで、ゼレンスキー大統領はSNSへの投稿で、4人が死亡、40人以上がけがをしたとし、「意図的な犯罪で、戦争を長引かせるものだ」と攻撃を厳しく非難しました。
一方、ロシア国防省は7日、無人機の生産や発射などを行う施設に加え、キーウとその郊外の工業施設や物流拠点を攻撃したなどと発表し、「攻撃の目的は達成され、指定された施設はすべて破壊された。キーウのそのほかの施設には攻撃は行われなかった」と主張しています。
米 ウクライナ担当特使“ロシアの外交的解決のシグナルでない”
アメリカのトランプ政権でウクライナを担当するケロッグ特使は7日、ウクライナのスビリデンコ首相の被害の報告を引用する形でSNSに投稿しました。
この中でケロッグ特使は「ロシアはこれまでで最大の攻撃でキーウの政府庁舎を襲い、事態をエスカレートさせているように見える。歴史が示すように、このような行動によって事態は制御不能にエスカレートすることがある。今回の攻撃はロシアがこの戦争を外交的に終わらせたいというシグナルではない」として、ロシアによる攻撃を非難しました。
トランプ大統領 ロシアへの圧力強化の可能性 改めて示唆
アメリカのトランプ大統領は7日、ホワイトハウスで記者団から「ロシアに対する制裁の第2段階に入る準備はできているのか」と問われたのに対し「イエス」と答え、ロシアへの圧力を強化する可能性を改めて示唆しました。
さらに、ベッセント財務長官も7日、SNSへの投稿で、トランプ大統領とバンス副大統領がEU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長と5日に電話で会談したことを明らかにした上で「われわれはロシアへの圧力を強化する用意はあるが、ヨーロッパのパートナーに追随してもらう必要がある」と指摘しました。
そして「さらなる経済的な圧力はロシア経済を完全な崩壊に導く可能性があり、それがプーチン大統領を交渉のテーブルにつかせることになるだろう」としています。
トランプ大統領は今週、ヨーロッパの首脳らが個別にアメリカを訪れるとしていて、制裁などロシアへの対応を協議するとみられます。
トランプ大統領はウクライナとロシアの首脳会談の実現を働きかけてきましたが、ロシアは慎重な態度を示しながら攻撃を強めていて、和平や停戦の見通しが立たない状況が続くなか、ロシアへの圧力を強める姿勢を見せています。
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