
【パリ=北松円香】フランスの国民議会(下院)は8日、バイル内閣の信任投票を反対多数で否決した。同内閣は総辞職する。バイル首相は財政再建をめざす2026年度予算案審議への協力を求めて信任投票を実施したが、野党の支持を得られなかった。
バイル氏は予算案に438億ユーロ(約7兆5000億円)の財政健全化策を盛り込むと発表していた。財政赤字の国内総生産(GDP)比は24年に5.8%と欧州連合(EU)の3%ルールを大幅に上回っており、財政再建が急務のためだ。
だが同氏の提案は年金支給額凍結や祝日の削減といった国民の負担を伴うため、強い反発が広がっていた。下院では中道の与党連合は過半を持っておらず、予算案に反発した野党の左派や極右の反対票により信任否決が決まった。
マクロン大統領は今後、議会の支持を得られる後任首相を指名する必要がある。議会を解散する選択肢もあるが、大統領の支持率は低迷しており事態の打開につながる可能性は低い。
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