ネパールでZ世代を中心に起きた、大規模な反政府デモ。
きっかけとなったのは、政府が行ったSNSへのアクセス禁止措置。若者たちはこれに抗議の声を上げ、デモに発展しました。
これまでに19人が死亡、約400人が負傷しました。
ロイター通信などによりますと、抗議の高まりを受け、ネパール政府は8日夜、SNSの禁止措置を撤回したということです。
このニュースについて詳しく見ていきます。
ネパール政府がなぜSNSの使用を禁止したのかですが、これは偽の情報が広がっていることを背景に、SNSの運営企業に対して国内での正式な登録を政府として求めていたといいます。
ですが、期限までに対応されなかったということで、アクセス禁止を発表したという流れがあったわけです。
「イット!」は、カトマンズに暮らすネパール人の男性・シベスさんに話を聞きました。
すると、2週間ほど前から政府がSNSをコントロールしようとする動きがあったということです。
ネパールで一番使われている「バイバー」というSNS以外、例えばYouTube、フェイスブック、ワッツアップ、LINEなどが使用できなくなり、家族とも連絡が取れなくなってしまったと話をしていました。
そして、政府はどう対応したのでしょうか。
SNSでは「政府が汚職をしている」などといった批判的な投稿が常にあるということです。
ネパールでは2年後に選挙が控えているということで、そうした中でSNSの禁止に乗り出したのではないかという見方も現地では広がっているということです。
青井実キャスター:
SNSが使えないことにも怒りがあるけど、政府の対応について怒りが増幅したということなわけですね。
抑え込まれているんじゃないかという思いも国民にはあるわけですが、そんな中、SNS禁止は撤回されましたがデモは収束するのでしょうか。
ネパール人の男性によりますと、このまま収束に向かう可能性は低いのではないかということでした。
今回デモに参加したのは13歳から28歳のZ世代が中心でしたが、今回亡くなった人が出たため、こういったことで全世代に広がりを見せて政権交代を掲げる動きに発展していくということです。
青井実キャスター:
山口さんに伺いますが、ネパールは一昨年に汚職事件の摘発が相次ぐなど不安定な政治状況が続いている中でということですが、どう見ますか?
SPキャスター・山口真由氏:
第一義的には政府に責任があるのはもちろんですが、プラットフォーマー側には責任がないんでしょうか。ネパールの求める事前登録は、それ自体は決して不可能なものではなかった。それを再三言われても無視したわけですよね。ばく大な利益を上げてインフラになったプラットフォーマーというのは、今後、ある程度責任が求められるのではないかと思います。
青井実キャスター:
ネパールの市民と政府の関係はもちろんあるものの、SNSとの向き合い方も考えていかないといけないですね。
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