
【パリ=北松円香】フランスのマクロン大統領は9日、辞任したバイル首相の後任に39歳のルコルニュ国防相を指名した。ルコルニュ氏は保守中道の共和党出身で、2017年のマクロン政権発足当初からの腹心だ。
与党連合が主導権を失った議会で予算案を成立させるという困難な課題に取り組む。
ルコルニュ氏は10日にバイル氏から首相職を引き継ぐ。仏大統領府はルコルニュ氏が新首相として議会の各会派と2026年度予算案について協議し「今後数カ月の決定のために欠かせない合意をする」という任務を負うと説明する。組閣はその後となる見通しだ。
ルコルニュ氏はマクロン氏の政権下で海外領土相や国防相を務めてきた。任命された背景には首相としてマクロン氏の意向を忠実に実行し、出身政党の共和党や極右とも連携しやすいとの期待があるとみられる。
議会解散や大統領の罷免を主張してきた野党は新首相の人事に反発している。急進左派「不服従のフランス(LFI)」を率いるメランション氏はSNSで「マクロンの退任のみが、議会を軽視するこの悲劇的なコメディーに終止符を打つことができる」と述べた。
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