IAEAの理事会は10日、イランの核開発などを中心に議論を行いました。

理事会の冒頭でグロッシ事務局長は、イラン国内の核施設に対する本格的な査察再開に向けた実践的な方法でイランと9日に合意したことについて、「査察は攻撃を受けたものを含むすべての核施設が対象だ」と説明しました。

一方、イランのアラグチ外相は10日、国営テレビのインタビューで、「合意の最も重要な点は、IAEAとの協力が以前とは異なる新たな枠組みで進められる必要があると明記したことだ」と述べ、実際に査察を再開するためにはさらなる協議が必要だとしています。

イラン国内の核施設の査察をめぐっては、ことし6月にイスラエルとアメリカに核施設を攻撃されたことを受けてイランはIAEAとの協力のほとんどを停止していて、今回の合意を受けて今後、イラン国内の核施設に対する本格的な査察の再開につながるかが焦点となっています。

イランのIAEA大使「保護する責任を負っている」

イランのナジャフィIAEA大使は、理事会のあと、記者団の取材に応じました。

イラン側は、IAEAに対して協力を再開した場合、IAEAからイスラエルとアメリカに核施設などに関する機密情報が漏れるリスクについて懸念を示しています。

記者団が「これについてIAEAがどう対応するのか具体的に示されたか」と質問すると、「IAEAとの数回にわたる協議は、まさにこの問題に焦点を当てていた。IAEAは機密情報をわれわれから受け取った場合には保護する責任を負っている」と述べ、具体的な言及は避けながらも、核施設や科学者などの情報の保護に向けて必要な措置をとるようIAEAに求めていることを明らかにしました。

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