欧州連合(EU)は9日、今年1月1日から今月9日までに域内で発生した山火事で、99万5千ヘクタールが焼失したと発表した。前年同期比で4倍以上に増えており、観測史上最悪となった。焼失面積は東京都のおよそ4.5倍に相当し、甚大な被害が浮き彫りになっている。

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 EUの欧州森林火災情報システム(EFFIS)が、衛星画像から推計した。EFFISが2006年に記録を開始して以来、最大規模だという。

 今年確認された30ヘクタールを超える山火事は計1998件。これにより排出された二酸化炭素は3997万トンにも上るとされる。被害は特にイベリア半島に集中しており、スペインだけで38万ヘクタールが焼失。ポルトガルは26万ヘクタールで、国土の約3%が焼失した。

 背景には記録的な熱波がある。欧州は今夏、前例のない熱波に見舞われ、スペインでは8月12日に最高気温が45度に達した。8月中旬には、スペインやアルバニアなど欧州南部で山火事が相次ぎ、スペインの首都マドリードに隣接する州では数千人が避難を余儀なくされた。

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