警備にあたる州兵(米ワシントンDC)=ロイター

【ワシントン=共同】米南部ウェストバージニア州のモリシー知事(共和党)は16日、トランプ政権の要請に応じ、300〜400人の州兵を首都ワシントンに派遣すると発表した。声明で「首都の誇りと美しさを取り戻そうとするトランプ大統領の努力を支持する」と訴えた。「犯罪対策」を名目にワシントンへの統制を強める政権の取り組みが加速しそうだ。

ウォールストリート・ジャーナル電子版は16日、既にワシントンに配備された州兵が数日中に武器を携行する準備を進めていると報じた。国防総省の当局者はこれまで、州兵は武装してしないと説明していた。

ロイター通信によると、ウェストバージニア州の州兵は15日夜にワシントンに装備と人員を送る命令を受け、準備を進めている。トランプ政権が投入を表明したワシントンの州兵800人に合流する見通し。ホワイトハウスの当局者は16日、より多くの州兵をワシントンに招集すると述べた。

トランプ大統領は11日、ワシントンの治安悪化に対応する必要があるとして、州兵を投入するほか、首都警察を連邦政府の指揮下に置くと宣言した。ワシントンの市街地では迷彩服姿の州兵が警戒に当たっている。

ワシントンのバウザー市長(民主党)は犯罪は増えていないと反論。連邦政府が警察の指揮権を掌握した措置について、ワシントンのシュワルブ司法長官が違法性の確認を求めて連邦地裁に提訴するなど、地元では反発が広がっている。

ワシントンは民主党が優勢で、共和党のトランプ氏による支持者向けのアピールとの見方もある。

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