フランス・パリで12日、被爆3世の女性らが講演を行い、現地の学生らに平和への思いを伝えました。

この講演会は、世界150を超える国の学生らが生活している「パリ国際大学都市」で行われました。

長崎県で小学校教諭として働く平林千奈満さん(25)は、原爆投下直後の長崎で医師として被爆しながらも負傷者の治療に当たった祖父の足跡を伝えました。

平林千奈満さん:
原爆投下後、街は廃墟と化していました。祖父自身も食料を探すのに苦労しましたが、できる限り多くの被害者を助けるため、毎日働き続けました。

「被爆体験伝承者」として活動する広島県の井上つぐみさん(25)は、2022年に88歳で亡くなった被爆者の川本省三さんから伝え聞いた体験を話しました。

井上つぐみさん:
原爆の生存者たちはひどい差別を受けました。原爆の生存者であることは、結婚や子どもを持つこと、仕事を見つけることにおいて大きな障害となってしまったのです。

会場には、フランス人など約70人の参加者が集まり、2人の話に耳を傾けていました。

参加者たちは講演を受けて「原子爆弾による直接のものだけではない、被害者の苦しみを知りました」「まずは家族、特に妹たちや弟に話そうと思います。なぜなら、彼らは新しい世代なので、実際に何が起きたのかを知ってもらい、そして将来の世代や友達にも伝えていってほしいからです」と話しました。

平林さんと井上さんは、講演について「手応えがあった」とし、これからも被爆の証言について伝えていきたいと話していました。

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