
【ソウル=小林恵理香】北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、9月上旬にウィーンで開かれた国際原子力機関(IAEA)の定例理事会で米国が朝鮮半島の非核化について言及したとして、「政治的挑発だ」と反論する国連代表部などの広報文を報じた。
北朝鮮が核を保有することは「米国の核の脅威から国家の主権と安全を守り、力の均衡を保障するための必然的な選択だ」と主張した。「今後も北朝鮮の地位を揺るがすいかなる試みにも徹底的に反対し、責任ある核保有国として義務を誠実に履行する」と訴えた。
トランプ米大統領は第1次政権で3度の米朝首脳会談に臨んだ。当時の米朝交渉の主要議題だった「非核化」を巡り、米国は「最終的で完全に検証された非核化」の実現まで北朝鮮への制裁を維持する方針を崩さず、決裂した経緯がある。
トランプ氏は2025年内にも北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談の実現に意欲を見せる。北朝鮮側も米朝協議を契機に、米国に北朝鮮を「事実上の核保有国」と認めさせ、制裁解除などを引き出したいとの狙いがあるとみられる。
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