ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=横内理恵】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時45分現在は前週末比11ドル75セント高の4万5845ドル97セントで推移している。米中による閣僚級会議の進捗についての表明や米連邦準備理事会(FRB)が16〜17日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを再開するとの観測が投資家心理を支えている。

半面、FOMCの結果を見極めたい投資家は多い。主要株価指数が高値圏で推移するなか、主力株の一角に持ち高調整や利益確定売りも出てダウ平均は下げる場面もある。

米中両政府は14〜15日にスペインで4度目の閣僚級会合を開き、関税問題に加えて中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の売却などについて議論した。ベッセント米財務長官は会合後に記者団に対し、「合意の枠組みが整った」と明らかにした。

トランプ米大統領は15日朝に自身のSNSで会合がうまくいったと投稿し、ティックトックを念頭に「『ある企業』に関して合意した」と述べた。19日に習近平(シー・ジンピン)国家主席と直接話すという。

15日朝の米短期金利先物市場では今週のFOMCで0.25%の利下げを織り込む確率が95%前後、0.5%利下げ予想が5%前後となっている。

米上院は15日にFRB理事候補のミラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長の承認を採決する。ミラン氏は承認が可決された後、就任宣誓などが間に合えば、16〜17日のFOMCに出席する。FOMC後のパウエル議長の記者会見や参加者の政策金利見通し(ドットチャート)に関心が集まる。

ダウ平均ではアメリカン・エキスプレス(アメックス)やアマゾン・ドット・コム、ゴールドマン・サックス、IBMなどが高い。

一方、エヌビディアが下げている。中国当局が15日にエヌビディアの過去のイスラエル企業の買収が独占禁止法などに違反したと発表した。初期段階の調査に基づいた判断で、中国当局はさらに調査を進めるという。ユナイテッドヘルス・グループやホーム・デポも安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は6日続伸して始まり、12日に付けた最高値を上回って推移している。テスラが大幅高で始まった。米証券取引委員会(SEC)への届け出でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が12日にテスラ株約257万株、10億ドル相当を取得したことが分かり、材料視されている。

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