
2025年3月の記事を読む
トルコで少数民族言語の辞典を出した、日本人の身に起きたこと 在仏57年の言語学者・小島剛一さん
その『ラズ語トルコ語辞典』の著者でフランス在住の言語学者、小島剛一さん(78)の身には、刊行後も思いがけないことが次々と起きているという。 小島さんを2003年に国外追放したトルコ政府から、予想外の「特別ビザ」が下り、さらに7月上旬、実に22年ぶりのトルコ入国を果たしたのだ。

『ラズ語トルコ語辞典』について講演する小島剛一さん
旧知のラズ人との歓喜の再会。各地での講演会で起きたこと。いくつかのトラブル…。 トルコに続いて日本を訪れた小島さんに、この夏の出来事を聞いた。(谷岡聖史)◆一瞬、嫌な予感が
7月22日。横浜市緑区の講演会場に現れた小島さんの顔には生々しい傷があった。 一瞬、「今度は何が起きたのか」と嫌な予感がした。
7月22日、横浜市緑区で講演のマイクを握る小島剛一さん。額から鼻にかけて大きな傷がある
トルコはかつて「単一民族国家」を掲げ、少数民族への弾圧を続けてきた国だ。1968年にフランスに移住し、1970年からトルコに通い始めた小島さんは、トルコ語方言の研究で博士号を取得する一方、ラズ人やザザ人など各地で出会った少数民族の言語にも魅力を感じ、研究を始めた。 当初は観光客を装った極秘の調査だったが、やがて政府の知るところとなり、憲兵や諜報機関による拘束、尾行、さまざまな妨害工作を経験し、1986年に自主退去を勧告されて出国。その後再入国を果たしたが、2003年に国外追放処分を受けている。
◆人前で男女が手を取り合い…
さて、小島さんが22年ぶりに見たトルコはどうだったのか。 今回のトルコ行きは、辞典を出した出版社の招きで実現した。7月1日から13日まで、ラズ語が使われているトルコ北東部のリゼ県とアルトウィン県を巡り、4カ所で刊行記念の講演会およびサイン会を開いた。
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研究を続けてきたとはいえ、ラズ語を話す機会は国外追放されて以来のこと。最初は戸惑いもあった。 「知識はあってもさび付いていました。最初の講演ではたどたどしかったんですが、3回目ぐらいでしゃべれるようになりました」 22年という月日を感じる場面は他にもあった。人前で男女が手を取り合って踊ったり、成人男性が半ズボン姿で過ごしていたり、イスラム圏ではあり得ないと思っていた光景に驚いたという。

7月4日、トルコ北東部アルトウィン県アルハーウィ郡で、ラズ語辞典について講演する小島さん(中央奥)=提供写真
連日、多くのラズ人に歓待され、講演会も盛況だった。 「夢のような日々でした。入れ代わり立ち代わり、いろいろな人にご飯やお茶をいただき、『今度はうちにも泊まって行け』と言われました」 だが、順調なことばかりではなかったようだ。◆講演会のキャンセル 何が起きたのか
「1カ所だけ、講演会が土壇場でキャンセルになりました。政治家同士の争いがあったようで…」
トルコでの体験について講演する小島剛一さん=7月22日、横浜市緑区で
小島さんによると、今回の...残り 1390/2833 文字
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