トランプ大統領は16日朝、日本時間の16日夜、メラニア夫人とともに、イギリスに向けてワシントン近郊の基地を専用機で出発する予定です。

トランプ大統領が国賓としてイギリスを訪れるのは2度目で、到着した翌日の17日に、ロンドン郊外のウィンザー城でチャールズ国王夫妻の出迎えを受け、晩さん会に出席するなど王室のもてなしを受けます。

18日にはロンドン郊外にある首相の公式の別荘、「チェッカーズ」でスターマー首相と会談を行う予定です。

首脳会談では、トランプ大統領が求めているロシア産の原油を輸入する中国やインドに対する関税の引き上げをめぐりG7=主要7か国やNATO=北大西洋条約機構の一致した対応など、ロシアに対する圧力について改めて話し合うと見られています。

また、2国間ではAI=人工知能や半導体、量子コンピューターなどの先進技術の開発について協力協定を結ぶ見通しです。

今回の訪問についてアメリカ政府の高官は「歴史的な2度目の国賓としての訪問は、アメリカとイギリスとの特別な関係を強調し、再確認するものになる」と述べて意義を強調しています。

専門家 “米英首脳会談での中心的な議題ロシアへの対応”

トランプ大統領のイギリスへの2度目の国賓訪問について、米英関係に詳しい専門家は首脳会談での中心的な議題はロシアへの対応になると指摘しました。

アメリカン・エンタープライズ研究所のヘザー・コンリー上級研究員は「2度目の国賓としての招待は異例だが、これはトランプ大統領にとってこの訪問がいかに重要であるかをイギリス側が理解しているからだ。トランプ大統領は儀礼的な華々しい儀式を喜んでいる。世界情勢が非常に不安定ないま米英関係を強化するものになる」と意義を強調しました。

そして「スターマー首相とイギリス政府は、米英関係の重要性を象徴する、このすばらしいもてなしの機会を利用しトランプ大統領がより前向きな気持ちになることを願うだろう。トランプ大統領に、ウクライナへの支援や対ロシアの行動の強化にさらに踏み出すように促すだろう」と述べ、首脳会談での中心的な議題はロシアへの対応になると指摘しました。

そのうえで「ロシアはますます攻撃的になってNATO=北大西洋条約機構を試し、中東では不安定さが見られ、そして中国はインド太平洋地域で主権と領土の一体性を試している。米英関係はこれまで以上に重要なものとなっている」と指摘して、首脳会談では多岐にわたる外交課題が話し合われるという見方を示しました。

一方で、イギリスとの2国間関係では「アメリカの企業とイギリス政府との新たな技術提携の発表が見込まれる。新たなエネルギー連携協定についても話し合われるだろう。また、鉄鋼とアルミニウムの関税は依然として高く、両国の貿易協定についても引き続き協議されるだろう」と述べ経済面での連携強化やトランプ大統領が課している関税が引き続き首脳会談の焦点になると指摘しました。

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