県議会本会議で答弁する村井知事(18日、仙台市)

宮城県の村井嘉浩知事は18日の県議会本会議で、県内で検討していた土葬墓地の整備を撤回すると明言した。整備に権限を持つ市町村長の同意を得るのが困難で「実現が極めて厳しい」ことを理由に挙げた。自民党の菊地恵一県議への答弁のなかで明かした。

村井氏は知事選挙(10月9日告示、同26日投開票)への出馬を前に、県内の保守派に配慮したかたちだ。村井氏を支える自民党会派の県議には「土葬問題を争点化すべきではない」との意見があった。

土葬問題は知事選争点の一角をなす。立候補を表明している和田政宗・元参院議員は土葬が可能な墓地整備の見直しを公約に掲げる。知事選への関与に意欲を示す参政党の神谷宗幣代表も土葬は「争点になっていくテーマだ」と話していた。

村井氏は6月、日本経済新聞の単独インタビューに応じた際に土葬墓地について「どんどん外国人が増えてくる。いずれ誰かがやらなければいけない」と整備の必要性を強調。専門家らを集めて有識者会議を開くことも選択肢として示していた。

宮城県は人口減少が進むなか、インドネシアなどイスラム教圏から人材を受け入れている。宗教上の理由から土葬を望む外国人が増えつつある。

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