
宮城県富谷市の若生裕俊市長は20日の記者会見で、誘致をめざす総合病院を巡って市の選定委員会が東北医科薬科大学(仙台市)を事業者候補に決定したと発表した。同市は9月に病院立地推進本部を設置し、2026年4月にも大学側と正式に協定を結ぶ。31年度に病床数140の総合病院開設を想定する。
新病院名は「東北医科薬科大学富谷メディカルセンター(仮称)」。外来や入院に救急センターや内科、外科、整形外科、産婦人科などを備える。小児科や精神科などは外来機能のみ持たせる。病床数を最大200まで増やすことも視野に入れている。
東北医科薬科大学は本院の同大学病院(仙台市宮城野区)と別院の同大学若林病院(同市若林区)を経営。合計で700床以上の病床を持つ。富谷市への新病院開設は同大学の病床再編の一環で、既存の2病院の病床は減らすことになる。
富谷市は宮城県北部にあり、仙台市のベッドタウンとなっている。人口が急増してきたが、救急急性期を担う総合病院がない。若生市長は「大学の提案内容は想像以上に意欲的で、大変心強い」と喜びを隠さない。
宮城県は21年に県立精神医療センター(同県名取市)と東北労災病院(仙台市)を富谷市内に移転し、併設する案を示した。その後、県は同案を変更・撤回したため、富谷市は独自の病院公募に踏み切った。
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